SEVENTH
-The Destination-
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エピソード抄録
【SEVENTH −The Destination 1−】
〜 1st ダルゼラ編 〜
■エリシア、司令室にてロディと話す (第1部)
ロディは司令室の中央のシート(指揮官席)に座り、
手元のパネル(仮想液晶に映し出される空中のディスプレイ)で
スケジュール、基地内設営状況を見ている。
そこへ、エリシアがコーヒーを2カップ、トレーに乗せて入ってくる。
エリシア:(トレーをシートのサイドにかけるように置き) はい、いかがですか?
(カップを差し出す)
ロディ :あぁ、ありがとう (ちょっと嬉しそうに)。気が利くね
エリシア:アリス、今手が離せないので… (トレーを持ってロディと向き合う
オペレーター席へ。座らず肘掛けに軽く腰掛け、自分もカップを取る)
ロディ :(一口すすってから) これからもっと忙しくなるな…
(もう一方の手でキー操作をして画面を送る)
エリシア:はい…
ロディ :開戦時には、大勢の人間がここに送られる…。
この部屋にもずらっと通信兵が並ぶよ (ディスプレイをOFFにする)
エリシア:あぁ… (ざっと部屋を見渡して、やや小声で) そうなんだ…
ロディ :…静かなのも…今のうちか…
エリシア:(寂しく厳しい表情)…そうですね…
ロディ :キミも休める時は休んどけよ
エリシア:はい…、だから今…ここに来ました (微笑)
ロディ :?
エリシア:ロディも半分休憩中でしょ?
ロディ :… (図星)
エリシア:アリス、言ってましたよ。何度もデートしてるのに、
一度も腕組んで歩いてくれないって
ロディ :! (ブーッとコーヒーを吹く)
エリシア:(くすっ)
ロディ :デートじゃないって… (ったく!)
エリシア:いいなぁ、アリスばっかり…。今度はあたしを誘ってくださいねっ
ロディ :…あーのーねぇ…、キミたちそーやってオレをからかってるでしょー
エリシア:あはっ (図星) 大好きなお兄さんに構ってもらいたいんですっ
ロディ :…ったく! …お兄さんねぇ…。おじさんよりかいっか (苦笑)
エリシア:はい (ニッコリ)
ロディ :かわいい妹に…、弟も増えたか (コーヒーをすする)
エリシア:さとるくんたち、頑張ってくれてますよ
(慣れるまでは「さとるくん」「エリシアさん」と呼び合う)
ロディ :あぁ、キャニーもいい奴連れてきてくれたよ。…あいつら見てるとさ…、
なんか若い頃の自分とダブるんだ…
エリシア:え?
ロディ :オレたちも3人組だった…
エリシア:(小声) あぁ…。あ、もしかしてリカルド先輩と?
ロディ :うん
エリシア:じゃあ、先輩がジルくん (みたいなしっかりしたお兄さん役)?
ロディ :ハハ、あいつなんてオレよりそそっかしいって! …何だあいつ、
キミの評価はいいんだ…、ま、教官だもんなぁ (ハハハ)
エリシア:そうなの…?
ロディ :もう1人、オレたちをいつもよく見てくれてた兄貴分がいてさ…
エリシア:へ〜ぇ、…今はどうされてるんですか?
ロディ :… (寂しい表情、目を閉じて首を横に振る) …もう何年になるかな…、
任務に忠実だった…
エリシア:あ… (亡くなったと分かる)。…ごめんなさい… (視線を落とす)
ロディ :いや…。軍人なんて職に就いてりゃ…、そんなの…、仕方がないさ…
エリシア:…… (寂しそうなロディの表情を見つめる)
ロディ :ごめんなっ (シートから下りて、エリシアの横に)
せっかく話しに来てくれたのに (トレーとエリシアのカップを取る)
エリシア:あ… (片付けに行ってくれようとする意外な行動に少々驚く)
ロディ :(出て行こうと歩み出し)
オレにあんまり気を遣わなくていいから (微笑)
エリシア:あ、あたしも行きます!
ロディ :(立ち止まって振り返る) いいよっ。このまま2人切りでいたら、
オオカミになっちゃうぞ (いたずらっぽく言う)
エリシア:あは (何故か目が輝く)、
あたし襲われたいっ!(ロディに顔を近づける)
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ロディ :(人差し指で制止する) … (ニッコリ)
…アリスはともかく
( くしゃみするアリスのカット;デッキ横で
ジャックやアーニィたち若手メカニックマンたちと
端末にデータ入力中)、キミはそういう子じゃない…
エリシア:! … (ドキッとする)
ロディ :…もうしばらくしたら、キニスも還ってくる…。
…ホントに、ちゃんと休んどけよ
(司令室を出て行く)
(エリシア):…ホント… (司令官席の側面にもたれかかり、
窓の外、遠くを見る)、かなわないな…… |
大変な任務のために疲れているであろうロディを気遣って、
楽しいお喋りでもしようと彼を訪ねて来たエリシアだが、
自分よりずっと大人であるロディには、
自分はまだまだつり合う器量もないな、と再認識させられてしまった。
でも、自分をよく見てくれている“お兄さん”の存在は、とても心強く嬉しかった。
ロディは「3人組」と言ったが、
実は2つ年下のエミリィ・ターナという女の子もよく一緒に行動していた。
さとるたちにかおるを加えた4人組と、正に同じ。
悲しい別れを経て今はリカルドと2人になってしまったが、
さとるたちを見ると若い頃を懐かしく思い出すようである。
かおるにも気を配ってくれる指揮官は、みんなから慕われている。
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