SEVENTH
-The Destination-


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SEVENTH PROJECT
   エピソード抄録

     【SEVENTH -The Destination 1-】

1st  ダルゼラ編 ~

リザルダのお忍び (第2~3部)

    リザルダ:人に指図する人間が、こんな無能では、みなさんに笑われてしまいますね


 ほとんど社会見学状態です。
 ちゃんとリザルダ・メルギーとして、お付きの者同伴で
 現地視察やら被災地の慰問やら、
 お仕事としてあることはあるのだが、
 それでは現場の普段の様子は見られないし、
 1人の人間としてそこで働く人と対等に話すこともできない。

 いろいろ変装して、工場やら研究所やら、
 訓練校やら戦闘デッキやらに現れる。
 最初は、たいてい気づかれない(何故!?)。

 オチは、ルシエに見つかるか、現場の人にバレるかが多いが、
 エルギウスのため、自分のために働いてくれている人々の実態を
 学び、現地で手伝いをし、技術を知り、時には現状改善のために
 総帥として上層会議で発言もする。
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  (帽子とゴーグルくらいのものだが)変装して射撃の練習に行ったりする。
  全然思うようにできず、周りの若い兵士の腕前に感動してしまう。
  怖~い指導教官も、リザルダだとは気づかず、
  あまりの情けなさに怒鳴り飛ばしてしまったり。

  結局その場で正体がバレて大騒ぎになる。
  リザルダ本人は平然といつものペースだが、
  教官などはもう生きた心地がしなかっただろう。

  しかし、リザルダはそんなことで怒るような人間ではない。
  他の者も、それがよく分かったエピソード。

  後程、これまたいつものパターンでルシエにお説教されるのだが、

    リザルダ:自分の体くらい自分で守れないといけないかなぁ、と・・・
    ルシエ :あなたのことは、オレが必ずお守りしまから、そのようなご心配は・・・
    リザルダ:それはお仕事ですか?
    ルシエ :? ・・・ (少々ためらうが) ・・・はい

  リザルダは少し寂しげな表情を一瞬見せる。

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  開戦当初、自分の立場・自分の不甲斐なさを思い悩み、塞ぎ込みがちだったリザルダが、
  今自分にできることをまずやってみようと思うようになる。
  自ら学ぼうと行動するようになる。

  ルシエには、それが正直嬉しかった。
  仕事ゆえ、リザルダを捜し連れ戻さねばならないが、時に見逃す=見守ることも。

  リザルダの立場を守るため、命を守るため、
  総帥の前にまずは1人の人間として成長する彼女を応援しつつ、
  最後まで仕え(支え)続けるのがルシエである。



炊き出しを提案、手伝うリザルダ (第3部 自殺未遂の後)
開戦後、しばらく経ってからのこと。
工場に潜り込んだリザルダが、そこの食事事情を知りショックを受ける。
充分な食糧が配給されていない。前線やパイロットたちに優先され、
後方の工員の扱いは酷くなってきている。


  リザルダ:ここで懸命に働いてくれている人がいるから、
        戦えるというのに... これでは充分に体を動かせない。
        …みんな、無理をして、倒れてしまう!
  何とかしてやりたかった。
  軍には指導できるが、いつ実現されるかなど分からない。
  とりあえず、でもいいから、リザルダの「何とかしたい」気持ちを行動に移した。

  工場のおばさんたちに、炊き出しを提案。
  「材料は、うちの里から調達しますから!」
  半ば強引に、おばさんたちと一緒にシチューを作り、労働者たちに振舞う。

    リザルダ:そう頻繁にはできないけど、、
          また食糧が手に入ったら送ってもらいますねっ

  その後も数回行われたらしい。
  リザルダは、前線も後方も、等しく食糧が行き渡るように指示を出す
  (=ルシエ→議会にお願いする)。

  そして、日頃の自分の贅沢な食事をやめ、一般兵と同じものを摂るようになる。




■リザルダにできること
  各現場での体験は、人間的に彼女を成長させる。
  国家独立という志を同じくする者たちが、理想国家を夢見て
  それぞれの役割を果たすべく懸命に働き、戦っている。

  その者たちの現状・気持ちを知り、彼らを思いやることも大事であろう。
  しかし、自ら学び、自ら考える力をもって、彼女が気づいたこと...

         リザルダにできること
         リザルダにしかできないこと ・・・リザルダの役割

彼女がリザルダ・メルギーとして在る意味が
少しずつ分かってきたのだ。

      国家元首たる自覚

根本はそうであるが、まずはリザルダが皆に言葉を掛けること。
リザルダが思っていること・・・労い、感謝、激励の気持ちを、
自分の言葉で言い表す。
たったそれだけのことだが、それはリザルダでないと意味がないのである。

相変わらず演説が下手なリザルダ。
でも、彼女の普通の話し言葉が、素直な気持ちが
皆に伝わるということが、どれほどの励みになり勇気につながるか。

ようやく分かりかけたリザルダの想像以上に、
エルギウスの同志たちにとっては嬉しいことなのである。

以後、お忍びではなく、リザルダ・メルギーとして各現場を訪れる。




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