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SEVENTH
-The Destination-


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SEVENTH PROJECT
   エピソード抄録

     【SEVENTH −The Destination 1−】

1st  ダルゼラ編 〜

ライクがジルの緊張を気遣う (第1部)
  第2部半ばで、ジルがかおるに真実を告げる。
  ――2人は兄妹ではない…

  デッキで機体の整備中のジル。新型兵器導入に向けて訓練中のさとるたちだが、
  戦争の準備でしかない日々は、ジルがある勇気を持てる静かな機会を彼に
  与えてはくれない。
  忘れたわけではない。ただ、ジルには今やることがあるのだ。

  2人乗りの機体のもう片方のシートは空席で、
  それが全開のハッチの外から見えていた。
  ライクがハッチ横の装甲を2回ノックし、
  ジルが振り返る頃には既にシートに座っている。

  黙ったまま、しかも半強制的にジルに会いに(近づいて)来るのは、
  真面目な話がある時である。ライクはそういう奴だと、ジルはよく知っているからこそ、
  ライクの方から切り出すまで自分は黙っていようと決めた。

  ライクはハッチを閉じ、モニターをONにした。
  それまでのライクの一連の動作を、ジルはただ大人しく見ていた。
  頭の後ろで腕を組み、シートの背にもたれ掛かるライクは、前方に位置する
  同じく新型の機体をモニター越しに眺めていた。

    ライク :いつ…話すんだ?

  唐突なようで、実はそれほど唐突な話でもないことに気づかされるジル。
  2人を包むコクピットの空気は決して冷たいものではなく、むしろ
  ライクの鋭い中にも優しさのある感覚をジルに伝えるような、
  程よい暖かさを持っていた。

    ライク :あいつは、オレにとっても妹みたいなもんなんだ…
         妹のこと…ちょっと心配でさ……

  ジルとは反対の方に少し視線を移す。ジルもライクの顔を見るのをやめる。

    
ライク :一人っ子の我が儘だよな…。オレはきっと兄弟を欲しがってて…、
         兄弟ってのはこんなだろうなって、みんなと一緒にいると思えたから…
         今でも一緒にいたくて…、それでかおるはいつまで経っても
         ちっちゃい頃のままだなって思うと、これが妹っていうのかなってさ…

  ジルは再びライクの横顔を見ることにする。
  4人のうち、1人だけ境遇の違うライクが、幼い頃からずっと仲間でいられたのは、
  "兄弟が欲しかった"から、その雰囲気を分け与えてくれたから、という。
  ライクがこのようなことを言うのは初めてであり、その「弟」の正直な話に
  ジルは嬉しくなった。

    
ライク :さとるも、結構気にしてんだぜ

  ジルも、今ライクの見ているモニターに目を遣る。
  さとるが中で整備している機体である。

    
ライク :別に、せかしてるわけじゃないんだけどさ、…事実は事実だし…、
         それに…、それでもあいつは「お兄ちゃん」って呼ぶと思う…、
         これからも、ずっと……

  (ライクが喋っている間、データ入力に手間取るさとるの様子が映る)

    ライク :こんなこと…(ジルと顔を合わすと、自分でくすっと笑う)、
         言わなくたって、ジルにはちゃんと分かってること、
         オレはいつもグダグダ口に出すんだよな…。でも、
         「兄貴」はそういうの全部黙って聴いてくれるんだよなっ
    
ジル :(同じく笑いを含みながら)分かった分かった、時間があれば…
         近いうちに話すよ、…ハハハハ(露骨に笑う)、ありがとー
    ライク :?
    
ジル :素直な弟はいい、ハハハハ…
    ライク :んだよ、オレ真面目に喋ってんだぞ
    
ジル :ごめんごめんっ

  ジルには全て分かっていた。
  ライクにとっては、ジルがかおるにいつ話すのかは問題ではないこと。
  ジルが話し出せずに悩んでいるのではないか、それによって
  自分たちの関係がギクシャクするのではないか、と心配していること。

  そして、そうならないために、ジルにはプレッシャーを与えることになってしまうが、
  敢えてその話を持ち出し、「大丈夫だから早く話した方がいい」と、
  ジルの様子を窺いがてら、ライクがわざわざ言いに来たこと…。


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